東京・銀座で不動産業をする友人の西川カタシさんの会社を訪ねることにした。
最近はいつ行っても会社にいないという忙しさが続いている。
だから彼に会うのは半年振り。
この西川さんとは、ホントによく付き合った。
銀座でクラブを経営しているし、馬主でもある西川さん。
オレの仕事がなくなった1年間(ただし、テレビ局は、契約ギャラを支払い続けてくれた)、西川さんの馬が走る競馬場に一緒に通った。
北は札幌、函館から南は小倉競馬場まで。
日帰りのこともあった。
当時、彼のところにはエルカーサリバーという「京都金杯」や「日経新春杯」を勝った馬を含めて14、5頭前後の馬がいた。
その馬達が、毎週のように何処かの競馬場で走る。
オーナーとしては、見たくなるのは当然だ。
ふたりのときも、5、6人のときもあったが、一番多くの仲間で京都に行ったことがあった。
エルカーサリバーが「ローズステークス」をレコードタイム(?)で快勝。
「エリザベス女王杯」に出走したときだ。
一番人気。
「ローズステークス」の祝勝パーティーも予定されていたから、東京から駆けつけた人数も多かった。
前日に京都・祇園で前祝。
誰もがエルカーサリバーの勝利を信じていた。
競馬場には、二手に分かれて向かった。
オレは、西川さんとチャーターしたリムジンで。
これがいけなかったのかもしれないね。
「ケヅやも体調も万全」と調教師。
パドックではホントに馬が輝いて見えた。
しかし、結果は惨敗。
この夜の「ローズステークス」の祝勝会は盛り上がらなかったね。
西川さんだけが「良いこともあれば、思い通りにならないこともあるよ。楽しく飲もうよ」と、一人張り切っていた。
この人、ホントに切り替えの早い人なんだ。
そんな思いの西川さんの顔に髭が生えていた。
と言うより、生やしていた。
その顔がどこか森繁久弥さんに見えたから不思議だったね。
積もる話で盛り上がり、オレが待ち合わせという事で別れることにしたが、名残惜しそうだった。
彼は淋しがりやでもあるんだよな。
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