来週の水曜日に発売される「日刊ゲンダイ」の紙面にオレが登場する。
「財布の中身」というコーナーだそうで、その取材を受けることになった。
その待ち合わせ場所に、オレがかって東海道新幹線で置き引きにあった記事を友人の記者が持ってきてくれた。
もう11年も前の話だ。
当時、日本テレビ「ザ・ワイド」という番組に出演しながら大阪の「あさイチ」に出演していた。
早朝の生放送が終って、東京の「ザ・ワイド」に出演するために、8時過ぎの新幹線に乗る。
帰りの新幹線は、名古屋を過ぎた辺りから爆睡状態だ。
おそらく、人数は少ない時間帯だが、グリーン車中に聞こえる大鼾をかいていたのだろう。
足元においてあったバッグが見当たらない。
ガラガラの車内だったが、なぜかオレの後ろの席にはひとり座っていた。
オレが探し出すと、その男は「何か捜していますか」と聞いてきた。
オレは、思わず「バックが」と答えていた。
その男は、網棚に乗せてあった男の大きなバックを指差しながら「中を見てみます」と聞いてきた。
すぐに断ったが、もし、男のバックの中を見ていたら、大変なことになっていただろうな。
車掌が通りかかった。
車掌さんも探してくれ「私たちには捜査権が無いので申し訳ありません。周囲をよく記憶して、東京駅に着いたら交番で話してくだ さい。よく覚えておいて話してくださいよ」と念を押された。
車掌は、あきらかにオレの後ろに座っていた男が、犯人だと決め付けているような話し方だった。
もちろん、バックは出て来なかったけど、当たり馬券を換金していたから、財布の中には約45万円入っていたんだ。
というよりも、手渡された当時の記事に、そう書かれていた。
タクシーチケットに新幹線の回数券。
一番大きかったのは、飲食費の領収書だったかもね。
当時は本当に飲み歩いていたからね。
いまの3倍は。
で、記事を読みながら、被害にあったオレに、読売テレビは見舞金10万円を払ってくれた。
いい時代だったな。
そんな苦い想い出がよみがえった記事だったね。
いまは、遠くに行くときは、大きなバックを持つようにしているし、 トイレにたつときは、財布も必ず持っていくことを心がけている。
小さな鞄だったから盗まれた。
財布も携帯も。
カードは東京駅で全て止めたから被害は無かったし、20枚以上あったタクシーチケットには、乗車するオレの名前も通しナンバーもが入っていたから使われることは無かった。
新幹線の回数券か使われたろうな。
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