近所の仲間を我が家の菩提樹に案内した。
筍掘りだ。
家から車で焼く5分。
名刹「西光院」。
千葉の無形文化財「三匹の獅子舞」という五穀豊穣を願う祭りがあることでも有名な寺だ。
5人を連れて寺の後ろに広がる竹やぶに。
山門を入って、ご住職の息子さんにご挨拶。
わざわざ、クワを届けてくれた。
「もっとあったほうがいいですか」と、聞かれたが、充分。
掘り出していたらご住職が「石川さん、もう遅いかも。4月の中ごろまでですよ」と、一緒になって筍を探してくれた。
「この時期になると、太いのがでなくなって。細いですよ」と、ご住職。
でも、3人は、約1時間掘って5〜6本 取れたんじゃないかな。
オレは、腰が痛いから掘ることはしなかった。
太い筍を探し当てての帰り、東京・浅草の合羽橋道具街の次期社長の宮崎さんは「素晴らしいお寺ですけど、どういう関係ですか」と聞いてきた。
山門から本堂まで真っ直ぐに伸びた石畳が「美しい」と言った。
「我が家の菩提寺」と教えたら「素晴らしいお寺」と絶賛。
住職の人間性も最高なのだ。
オレの親父が亡くなったときにお世話になったお寺で、カミさんの実家が付き合っている東武線・豊四季駅側のお寺の住職とは、正確も人間性も段違い。
何でこんな人が、住職してるんだろうと思ったこともあるぐらい。
あ、嫌なことを思い出してしまった。
オレが相談に行ったときに断られ、カミさんの母親の通夜のときに、車で迎えに行った オレに「何打お前は。まだ早い」と、酒を飲んでいた住職。
何とかお連れして、通夜の祭壇の前に座ってもらったが「この明るさは?もっと暗くしたほうがいい。それにいい女がいないな」と、酔ってわけの分からないことを言い出した。
祭壇前に並んだ人の中から「クスッ」と、笑い声が起こった。
オレは「この住職は許せない」と、地元の読売新聞に電話をした。
リポーターとして仕事をしているオレの実名で。
記者の方はすぐに飛んできてくれた。
記事になって「仕返しが出来る」と、思ったが、カミさんの実家は、寺の相談役にもなっていたし、親戚中が寺との付き合いがある。
「止めてください。みんなが困る」と、静止させられ、記者の方にはお詫びして帰ってもらったが、許せなかったオレは、この話 を「週刊新潮」のコラムで書いたことがあった。
そんなことを思い出した筍堀だった。
ホントに「西光院」のご住職も息子さんも素晴らしい人だ。
COMMENT FORM