信じてる西洋占星術のイレーネさんのこの日のオレの占いは「新しい挑戦を14時42分までにすると大吉」と、あった。
午後3時に元電通の伊藤泰輔さんと、彼の上司だった小説家・片岡弘さんと東京・溜池のANAインターコンチネンタルホテル1階ロビーで、待ち合わせの約束があった。
片岡さんは、墨田区に建設中のスカイツリーの内情を面白く、そして、詳しく予想した小説「634」の作者。
伊藤さんの紹介で、片岡さんに会えたことも嬉しかったが、これから、協力して「何か新しきことを始めよう」と話し合う場所になるはずだった。
オレが、ホテルについたのは、2時42分ごろだった。
ロビーのソファーに座り、いま到着する二人を待っていたときに、東日本巨大地震が起こった。
ゆっくりと始まった揺れは、しだいに大きくなるし長い。
9.11のときの米国貿易センタービルの崩壊の様子が頭を過ぎった。
それだけオレにとって感じたことが無かった揺れだった。
正しいかどうか分からないが、約1分ぐらい続いた揺れにホテルにいた客が、ホテル玄関に飛び出してきた。
ホテルの前の首都高速では、乗客を乗せたまま止まったバスが、大きく揺れていた。
いまにも下に落ちてきそうだ。
乗客もそう感じていたはずだ。
待ち合わせの人が来ない。
余震は続く。
ここにいていいのか迷ったが、どこに行っても、恐怖は同じ。
じっくり待つことにした。
携帯も電話も繋がらない。
地下鉄が止まってしまったという情報も飛び込んできたが待つことにした。
2時間20分。
諦めて銀座の友人の会社に向かうことにした。
テレビ局もプロダクションの製作会社も近い場所はあったが、オレの頭の中では、銀座の友人の会社が、一番居心地がいいと感じたからだ。
道路には車が溢れ、歩道には人が溢れていた。
バーゲンセールの会場にいるぐらい人を掻き分けて進む。
もちろんタクシーなんて拾えない。
歩くこと40分。
友人の会社に到着した。
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