「週刊実話」の連載「もう一つの芸能界」と言う連載が始まった。
連載を持ち込んだとき、出版社の社長・高山さんから「いままで、芸能人のスキャンダルばかり追いかけてきたから、ここらで、芸能界のいい話を書きたくなったの」と、笑い話になったが、オレがスキャンダルを専門に取材しているときだって、相手には優しかったと思うよ。
一つだけ後悔している記事がある。松竹の大女優だった桑野みゆきさんの記事だ。銀座を歩いていたら、桑野さんの父親にあった。写真を見せられ、嫁いだみゆきさんの状況を聞かされ、自宅まで行って話を聞いた。
雑誌の締切日、赤坂でお店を経営していたみゆきさんに、父親が言っていた「家庭が上手くいっていない」と言う話をぶつけた。みるみる彼女の目に大粒の涙が浮かんだ。事実も多少あったが、父が娘に描いた妄想だった。「離婚する気などない」という。
記事を差し替えたかった。しかし、表紙にはタイトルが入ってしまっていた。「変えられない」と、本人に伝えたら、本気で泣き出してしまった。読者を裏切った甘い記事になったのは事実だが、後味が悪いものになった。
あれから約35年、彼女はどうしているんだろう、と思ったことはいっぱいあったね。人を傷つけたのはこれだけじゃないかもしれないけど、思い出したらまた。
で、連載は、大衆演劇の座長、ミニ劇団の主宰者を取材していこうと思う。ちなみに第一回は「劇団・錦」の錦はやと座長だ。次回は、「風見劇団」風見涼太郎座長だ。
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